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減量のためのセマグルチド注射とその仕組み

減量のためのセマグルチド注射とその仕組み

セマグルチドについて知っておくべきことと、セマグルチドが減量と体重管理にどう役立つのかについて詳しくご紹介します。

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「セマグルチド」と「減量」。ここ最近、この2つの言葉が組み合わさって使われている場面をご覧になったことがある方もいらっしゃるかもしれません。セマグルチドは大きな減量をもたらす効果があるため、過体重や肥満症の管理に使用される画期的な治療法です。

それでは、セマグルチドは具体的にどのように作用するのでしょうか。減量に取り組み始めた方や、減量のために色々なことを試しているけれどうまくいかない方はぜひご覧ください。

ここでは、セマグルチドについて知っておくべきことと、減量と体重管理の両方にどう役立つのかについて詳しくご紹介します。

セマグルチドとは?

セマグルチドは、生活習慣の改善と組み合わせて服用できる、減量および肥満症の治療薬です。

セマグルチドは当初、糖尿病性ケトアシドーシス(体が十分なインスリンを産生しない状態)の治療を目的に開発されましたが、現在では2型糖尿病の患者や減量が必要な方々を助けるために広く使用されており、オゼンピックやウゴービなどの名前で知られています。

セマグルチドとは、インスリン分泌を増加させ、血糖値を下げ、食べ物の胃からの排出を緩やかにする天然ホルモンを模倣するGLP-1(グルカゴン様ペプチド1)です [1]。

セマグルチドの減量への効果は?

セマグルチドは2型糖尿病患者向けに開発されましたが、減量や長期的な体重管理に対する効果を調べる臨床試験もいくつか行われています。

肥満症患者におけるセマグルチド治療効果(STEP)臨床試験では、セマグルチドを2.4mg投与された患者において、12週目までに体重の平均6%が減少し、12週目以降は体重の平均12%が減少しました [2]。

セマグルチドは、過体重、肥満症、糖尿病を持つ患者の減量に効果的な治療薬であるだけでなく、死亡率、心血管疾患、脳卒中、非致死的イベントの発生率を大幅に低下させることが証明されていることも重要です [3]。

セマグルチドの作用

セマグルチドは、体内でつくられる天然ホルモン「グルカゴン様ペプチド1」を模倣します。このホルモンは、食べ物を食べた後に消化器系で産生され、脳に作用して食後の満腹感を調節します[4]。

このグルカゴン様ペプチド1というホルモンは、食後の体内のインスリン分泌を調節し、血糖値をコントロールしやすくします。セマグルチドは血糖値を下げ、食事を摂ったことを脳に知らせることで食欲を抑えます。

セマグルチド注射薬は、あらかじめ充填された注射ペンに入っており、週に1回、皮膚の下層にある皮下脂肪に注射します。

この減量薬は、天然ホルモンであるグルカゴン様ペプチド1と同じ作用を持ち、満腹感を長時間持続させることで、食欲を抑えるように働きかけます。

セマグルチドを服用してから減量までの目安は?

すべての薬や減量薬と同様、減量のスピードや結果には個人差があります。

一例を挙げると、セマグルチドの摂取による減量の結果を評価した臨床試験では、2.4mgの用量を服用した患者は12週目までに6%の体重減少を達成し、28週までに12%の体重減少があったことが示されています [5]。

12週間にわたる別の臨床試験では、1mgの用量を服用した患者で体重の4%が減少し、2.4mgの用量を服用した患者で体重の5%が減少しました。28週目では、1mgの用量を服用した患者で7%、2.4mgの用量を服用した患者で9.6%の体重減少が示されました [5]。

これらの臨床試験を参考にすると、基本的には約2〜7ヶ月以内に大幅な減量が期待できると言えるでしょう。重要なことは、低カロリーの食事や運動量の増加など、生活習慣の改善と組み合わせてセマグルチドを服用することです。

セマグルチドの服用で体重はどれくらい減るか?

具体的な数値には個人差があります。さらに、セマグルチドの服用における減量結果は、栄養面や運動量の生活面や、お薬の強さによっても変わってきます。

しかし、セマグルチドの減量への効果についてはすでにたくさんの臨床試験が行われているので、その研究結果を見ていきましょう。

2,000名の肥満症患者を対象にしたある研究では、食事や運動プログラムと組み合わせてセマグルチドを服用したグループと、同じような生活習慣の変更を行ったがセマグルチドの服用は行わなかったグループ、2つの群を比較しました [6]。

68週後、セマグルチドを服用したグループの参加者は体重の15%が減少し、3分の1近くの参加者が体重の20%を減少させました。一方、セマグルチドを服用しなかったグループの減量結果は2.4%でした。

別の臨床試験では、7,215名の患者を対象とした6つの主要な臨床試験(SUSTAIN 1)において、オゼンピック (別名セマグルチド)を服用した患者と、有効な薬物治療を行なっていないか別の糖尿病治療薬を服用したプラセボ対照群とを比較しました [7]。

これらの臨床試験では、1年間の治療後、患者の63%において体重の5%減少を経験し、患者の27%は体重の10%(もしくはそれ以上の)減少を経験しました。

2年間にわたる追加の臨床試験では、オゼンピック 1mgの服用にライフスタイル介入を組み合わせた患者と、ライフスタイル介入のみ行なった患者とを比較した。その結果、オゼンピックを服用した患者が体重の4.9kgを減少させたことに対し、オゼンピックを服用しなかった患者は0.5kgの減量にとどまりました [3]。

セマグルチドの安全性

セマグルチドは安全な減量薬ですが、リスクや副作用が全くないわけではありません。こういった二面性は、ほかのどんな薬においてもよくあることです。セマグルチドの最も一般的な副作用は、吐き気、嘔吐、下痢、胃痛、便秘などです。

これらの副作用は一般的に一時的かつ軽度なことが多く、身体が薬に慣れるにつれて起こります。減量薬を服用している方の約10%がこうした副作用を経験しています[8]。

減量薬には、その他にもあまり一般的でない副作用もあります。以下がその例です。

  • 視力の変化
  • 低血糖症(めまい、ふらつき、不安やイライラ感、気分の変化、目のかすみ)
  • 膵臓の炎症
  • 腎臓に関連する症状
  • 胆嚢に関する症状
  • 自殺願望

また、あまり一般的ではありませんが、留意すべき重大な副作用が甲状腺がんです。

セマグルチドが人体に対して実際に甲状腺腫瘍や甲状腺髄様がん(MTC)と呼ばれる甲状腺がんの一種を引き起こすかどうかは明らかになっていませんが、動物実験では減量薬が甲状腺腫瘍を引き起こしたことが示されています。人体に対してこのようなことが発生する可能性は比較的低いですが、完全に否定することはできません。

ご自身またはご家族に甲状腺がんの既往歴がある場合は、セマグルチドの服用を避けることが推奨されています [9]。

セマグルチドとオゼンピックは同じ?

ウゴービとオゼンピックはどちらもお薬の名前で、さまざまな用途において承認されている減量成分のセマグルチドが含まれています。

ウゴービが特に過体重や肥満症の治療に使用されるのに対し、オゼンピックは2型糖尿病の治療に使用され、減量のためにも使用できます。両薬剤とも有効成分のセマグルチドを含み、人々の減量を助ける上で安全かつ効果的であるという結果を示しています。

冒頭にも触れましたが、減量を達成するためにはこれらの注射薬を、カロリーを抑えた食事や運動量の増加など、生活習慣そのものの変更と組み合わせて使用する必要があります。

セマグルチドはジュニパープログラムで処方されるのか?

ジュニパープログラムは18歳〜75歳までの方で、治療のための基本的な要件を満たしている場合においてご提供が可能です。プログラムでは、減量・体重管理のための医薬品としてセマグルチドを主成分としたお薬を処方しています。

ジュニパーは、減量を達成するために、減量薬だけにとどまらない視点が大切であると考えています。そのため、ジュニパープログラムでは生活習慣の改善のためのヘルスコーチング、管理栄養士による食事アドバイスなど、多方面からのアプローチをとっています。

セマグルチドを主成分としたお薬を通して、食欲を調整する視床下部(脳の領域の一部)に働きかけて、生物学的にリセットし、体のセットポイント(脳が理想体重を認識するところ)を下げることで、減量目標を達成することを目指していきます。

医療専門家やヘルスコーチ、管理栄養士で構成される臨床チームがいつでもそばでサポートし、体重を減らすだけでなく、減量後の体重を維持するためひ必要なツールやアドバイスを提供します。

ヘルスコーチは、カロリーを抑えた食事や運動量の増やし方など、実用的なアドバイスで減量の過程を共に伴走します。

一人で減量を続けていくことの難しさも十分に承知しています。だからこそ、ジュニパーでは減量に励む他のジュニパープログラムユーザーの方々とつながり、お互いのモチベーションを維持し、途中経過をシェアし合えるコミュニティーづくりにも取り組んでいます。

減量や体重管理を難しく感じる方も多いかと思いますが、セマグルチドのような画期的な治療薬が役立つ場合があります。減量のためにサポートが必要な場合は、ぜひいつでもご相談ください。

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