ダイエット停滞期の乗り越え方について
減量をしている人の中には、停滞期(体重の減少が突然止まってしまう厄介な時期)を経験したことがある方がいらっしゃるかもしれません。停滞期が起こる明確な理由はないようで、順調に体重を減らしていっている時だと特に悩ましいことでしょう。
重要なのは、体重減少は直線的ではなく、定期的に変動するのが正常で、多くの人に起こるということです。
もしもご自身がダイエットの停滞期にいる場合や、過去に停滞期を経験していて、再び停滞期になってしまった時の乗り越え方を探している場合は、この記事をぜひ読み進めてみてください。
この記事では、停滞期について知っておくべきことをまとめています。
減量の停滞期はなぜ起こる?
減量の停滞期が起こる主な原因として、以下の3つが挙げられます[1]。
・ホメオスタシス機能の活発化
・筋肉量低下による基礎代謝の低下
・ホルモンバランスの変化(特に女性)
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ホメオスタシス機能の活発化
体重の減少は、摂取カロリーよりも消費カロリーが多い場合に起こり、その結果「アンダーカロリー」という状態になります[2]。
運動量を増やし消費カロリーを減らし始めると、体重が減っていくことが自然ですが、摂取カロリーが低い状態になると、身体が生命を保とうとするためにはたらく「ホメオスタシス機能」が活発化。(ホメオスタシス機能とは、自律神経や内分泌、免疫といった器官のバランスをうまく取り、体内環境を一定に保とうとするはたらきのこと)
身体が現状を危険だと判断し、少ないカロリーでも生命活動ができるように身体をコントロールすることで、体重が減らなくなっていきます。
筋肉量低下による基礎代謝の低下
食事制限だけでダイエットをしている場合の落とし穴が、筋肉量の減少。
摂取カロリーの不足により、身体が筋肉を分解してエネルギーに変えてしまいます。今まで筋肉があることで燃料速度を維持していたところに影響を受け、筋肉量が減ることで基礎代謝もどんどん減っていき、代謝速度も遅くなってしまいます。
ホルモンバランスの変化
特に女性に多いのが、ホルモンバランスの周期的な変化によって起こる停滞期。これは2種類ある女性ホルモンのうち、「プロゲステロン」による影響です。
プロゲステロンは妊娠に備えるためにはたらき、水分や脂肪を体内に溜め込む性質を持っています。
排卵日前後はプロゲステロンの分泌量が増えますが、加えて、排卵後はエストロゲンの分泌量が減ることで相対的にプロゲステロンのはたらきが強まります。
こうしたホルモンバランスの変化により、生理前およそ2週間ほどは、どうしても体重が落ちにくくなるでしょう。
そのほかの原因は?
また、停滞期が起こる理由には次のようなものも挙げられます。
古い習慣がやめられない
カロリー制限ダイエットを何週間も続けていると、古い習慣がちょっとしたスキマに入り込んでくることがあります。たとえば夕食を準備しながら間食したり、食後少しして再び食べてしまったり、午後や夕食後のおやつなど、様々なシーンで現れる可能性があります。
これらの変化は一見小さく見えますが、時間の経過とともに全体的なエネルギー摂取量に大きな影響を与える可能性があります。このような古い習慣がやめられていないことに気づいたら、一日の食事摂取量を改めて見直してみることをおすすめします。
適切な量のカロリーを摂取していない
脂肪が減ると、通常は筋肉も少しずつ減っていきます。筋肉は代謝率を高く保つのに役立つため、体重が減ると消費カロリーも減り始めるのです。
これには、体重に基づいて新しいカロリー必要量を計算する必要があるかもしれません。
ただし、特定の基準(約1,200kcal)を超えてカロリーを減らすべきではありません。摂取カロリーを減らすことで、身体が飢餓状態に陥り、空腹感や渇望感のシグナルが増加し、無気力感や体調不良につながる可能性があります。
筋肉は脂肪より重いという事実
減量に向けた取り組みをしている中で、フィットネスレベルは向上している可能性があり、ウエイトトレーニングを強化している場合は、引き締まった筋肉がついてくるでしょう。引き締まった筋肉はより多くの水分を溜め、脂肪よりも重いため、体脂肪が筋肉に置き換わっている場合、体重の減少速度が遅くなる可能性があります。
しかしこれは決して進歩していないというわけではありません。筋肉がつくことも進歩なのです。
生命を維持するためのメカニズムによる影響
私たちの体の中では、毎日何千ものプロセスが体内で行われており、これらのプロセスの一つに、体に指示を出す「化学的伝達物質」を含んでいます。これらの伝達物質は、摂食プロセスに関与しており、ホルモンであるグレリンとレプチンが空腹感や満腹感のシグナルを調整しています。
長期間のダイエットは身体に影響を及ぼし、満腹ホルモンの分泌を抑制して空腹感をより頻繁に感じる可能性があります。
さらに、身体にできるだけ多くのエネルギーを消費するように指示する他のホルモンによって、代謝が遅くなる可能性もあります。
停滞期はどれくらい続く?
体重減少の停滞期には、少なくとも3〜4週間は体重が動かない状態が続きます。場合により、体重が少し増えてしまうこともありますが、問題ない状態なので気にされないでください。
前述したように、減量ペースは決して簡単な道のりではないため、その時その時の状態を受け止めながら、少しずつ取り組んでいきましょう。
減量の停滞期を打破する方法
個人差があるため、減量の停滞期を突破する方法は一律ではありません。そのため、減量をしていくためにいくつかの方法を試す必要があります。トライできる方法を以下に挙げていきます。
フードダイアリーをつける
実際に生活習慣を変える前に、数日から一週間にわたって食事と運動の日記をつけると効果的です。日記をつけることで、自分の習慣を振り返り、掲げた減量目標にそぐわないような、気になるポイントをあぶり出すことができます。
タンパク質の重要性を知る
前述したように、脂肪を落とす中で引き締まった筋肉も一緒に失っていくと、代謝が遅くなることを知っておくことも重要。新陳代謝を活性化し続けるためには、筋肉組織の維持に役立つタンパク質を十分に摂取することが大切です。
ベストな方法は、毎食に必ずタンパク質を摂取すること。軽食をとる場合も、タンパク質の含有量が高いことをきちんと確認しましょう。
きちんと汗をかくこと
ダイエットが停滞期に入っている時は、ワークアウトを一段階引き上げる絶好のチャンス。運動習慣を変えたり、新しい筋トレに挑戦したりするのも良いかもしれません。
また、ワークアウト中の休憩時間を減らしたり、自分のペースで取り組んだりすることもできます。 運動へのアプローチを変えることで筋肉量を増やし、心臓や血管の持久力を向上させ、結果的にカロリーの消費にも役立ちます。
包括的な減量プログラム
ジュニパープログラムは、実証済みの医薬品、健康相談や指導、医療チームによる継続的なサポートを組み合わせており、減量と体重の維持に役立ちます。ジュニパープログラムでは、セマグルチド成分が含まれたGLP-1受容体作動薬であるオゼンピックとリベルサスを処方しています。
セマグルチドとは、脳の報復中枢に働きかけ、食欲を抑えつつ、満腹感を長時間持続させることが臨床的に証明されています。
長期的な体重管理のためには、食事と運動の習慣を変えることも重要で、日本の提携医師のサポートを受けながら総合的な面から減量にアプローチするプログラムをご提供しています。また、プログラムでは体重に影響を与えている習慣を見極め、習慣をやめたり減量目標を達成したりするためのお手伝いをいたします。
体重計の数字にとらわれないこと
体重計の数字が下がっていくのを見るのは興奮するかもしれませんが、これがダイエット成功の唯一のはかり方ではありません。たとえば、減量を決意して健康のために動き始めてから経験したすべての変化を書き出して、以下のようにリストにしてみてください。
- 自分の食事をよりコントロールできるようになった
- 感情的になって食事をとってしまうことをやめることを学んだ
- 今までより長時間運動できるようになった
- 精神的な健康状態が改善した
- より自信を感じるようになった
上記のような変化は、数字では測れない変化です。特に停滞期の真っ只中にいる時は、こうしたことをきちんと拾い上げて、自分自身を肯定していくことが重要です。