2023年11月に「ウゴービ(Wegovy)」が厚生労働省より肥満治療薬として承認されており、GLP-1は徐々にダイエットや体重管理の分野でも注目されています[1]。ウゴービの有効成分は「セマグルチド」ですが、同じ有効成分を含む、「オゼンピック(Ozempic)」と「リベルサス(Rybelsus)」という2種類のお薬は、肥満治療の自費診療の分野で多くの方に利用されています。
GLP-1を使って肥満解消・ダイエットを考える方は、オゼンピックとリベルサスのどちらがよいのだろうというお悩みがあるのではないでしょうか。この記事では、両者の特徴・効果・注意点を比較し、どちらが自分に適しているかを考える際の参考になる内容をお届けします。
GLP-1受容体作動薬とは?
GLP-1製剤は、インクレチン製剤の一つです。インスリン製剤とは異なり、このお薬そのものに血糖値を下げる効果(血糖降下作用)はありません。あくまでも食事による血糖値が上がったことを感じ取ったときに、すい臓のβ細胞を刺激してインスリンを分泌させ、血糖値を下げるように働きかけます。
低血糖のリスクを下げながら、血糖値をコントロールするように治療を進めることができるというのが最大の特徴。そのため、もともとは2型糖尿病の治療薬として承認されていて、多く処方されています。
また、このお薬は肥満治療薬としての効果を期待して処方されることもあります。食欲は、脳の視床下部にある摂食中枢がコントロールの役割を果たしますが、GLP-1の受容体も脳の視床下部にあるのです。小腸で分泌されたGLP-1がここまで到達することで、食欲抑制の効果を発揮します。
加えて、GLP-1は胃に長く食べ物をとどまるため、より満腹感が長続きし、食欲のコントロールを助けます。食欲を抑えることで取り入れるカロリーが減り、体重の減少に繋がります。
その結果、血糖値を安定させ、食欲が減少。満腹感が長続きすることで、誘惑や食べ過ぎの心配がなくなってきます。その有効性から、多くの人が関心をもつきっかけになっています。
代表的なものには、注射タイプの「オゼンピック」と、経口タイプの「リベルサス」があります。
※日本ではGLP-1製剤はウゴービのみ肥満治療薬として認められています。その他の薬は2型糖尿病治療薬としてのみ認められています。(2024年12月時点)
オゼンピックとは?
オゼンピックは、注射タイプのGLP-1製剤の一つです。週に1回の自己注射で良いため、忘れにくいのが良いところです。
オゼンピックには以下のような特徴があります。
- ダイエット薬としての注目点
- 適切な生活習慣の改善と組み合わせることで、体重減少効果が期待できます。
- 臨床研究で、リベルサスよりも効果が高いといわれています[2][3]。
- 自己注射は週に1回。食事に関係なく注射できるので、忘れにくく生活の都合も影響しにくい。
- 注意点
- 皮膚の注射部位にかゆみなどが起こる場合があります。
- お薬を始めた当初や量を増やしたタイミングでは、吐き気や頭痛などの副作用が見られることがあります。
- また、膵炎・アレルギーといった重篤な副作用に注意が必要です。
- 使い終わった針は固いケースに入れ、適切な処分が必要です。医師の指示に従って廃棄するようにしてください。
リベルサスとは?
リベルサスは、GLP-1の中でも唯一の経口タイプとして注目されています。以下がその特徴です。
- ダイエット薬としての注目点
- 適切な生活習慣の改善と組み合わせることで、体重減少効果が期待できます。
- 通常の飲み薬と同じで注射不要。注射に抵抗感がある方でも安心できます。
- 飲むのは1日1回でOKです。
- 注意点
- お薬を始めたてのころや用量を増やした頃は、特に胃のむかつきや頭痛などの副作用に注意が必要です。
- 胃が空っぽのときに服用することで、最大の効果が発揮されるお薬です。逆にいえば胃が空のとき以外のときは吸収率が落ちてしまいます。
- 基本的には、起きてすぐの空腹時に服用してください。
- 飲むときは、コップ半分(120mlまで)のお水で。
- 飲んで30分は、食事・飲水・他のお薬も避けます。
オゼンピックとリベルサスの比較
オゼンピックとリベルサスの効果を考えたとき、どちらが良いのだろう、と迷う方も多いのではないでしょうか。
以下に、オゼンピックとリベルサスをいくつかの観点で比較します。
1. 使用頻度
- オゼンピック:週1回の注射。
- リベルサス:1日1回の服用。
オゼンピックは注射頻度が少ないため、リベルサスより手間が少ないのが特徴です。反対に注射に抵抗がある人には、リベルサスが向いているかもしれません。
2. 服用・使用方法の簡便さ
- オゼンピック:注射のため、注射針の扱いや処分など自己管理が必要です。
- リベルサス:錠剤なので、飲むだけで済みます。ただし、服用タイミングと服用方法が厳密です。(空腹時、120mlの水と一緒に、服用後30分間は食事・飲水・他のお薬も避ける必要があります。)
3. 効果の発現
- オゼンピック:最大用量を投与することで、最大の効果を発揮します。
- 臨床試験では、週1回 1.0mgのオゼンピックを6ヶ月間投与した結果、平均5.8kgの体重減少が見られました[4]。
- リベルサス:最大用量を投与することで、最大の効果を発揮しますが、リベルサスの最大用量である14mgは、オゼンピック0.5mgと同等です。(オゼンピックの最大容量は1.0mg)
- 臨床試験では、1日1回 14mgのリベルサスを6ヶ月~12ヶ月間使用した結果、平均4.4~6.8kgの体重減少が見られました[4]。
どちらも最大用量に到達する3ヶ月目以降に、お薬の効果が実感しやすくなります。 ※個人差があります。
4. コスト
- オゼンピック:ジュニパーの場合、2,6000円〜/か月
- リベルサス:ジュニパーの場合、9,000円〜/か月
※ジュニパーでは、上記の価格に、診察料・送料・医療サポート・専属の管理栄養士による生活習慣改善サポートが含まれています。
GLP-1製剤を使用する際の注意点
GLP-1受容体作動薬は医薬品です。使用する際には必ず医師に指示に従ってください。いくつかの注意点があります。
1. 副作用の可能性がある
オゼンピック、リベルサスの副作用は似たものが多く、多くの場合吐き気や胃のむかつきといった消化器症状があります。
これらの症状は薬の成分に身体が慣れていくことで徐々に緩和されることが多いですが、続く場合は医師に相談が必要です。
時として膵炎のように重篤な副作用の可能性もあるため、気になる症状がある場合は医師にご相談ください。
2. 生活習慣の改善が必須である
GLP-1ダイエットは薬だけ飲んでいれば痩せる、といった類のものではありません。適切な食事と運動と組み合わせることで薬の効果を最大限に発揮されます。
3. 医師の指導を受ける必要がある
個人輸入で使用するのはおすすめできません。医師の診察・診断のうえ、医師の指示の下で使用する必要があります。
4. 薬を使用できない場合がある
妊娠中・授乳中・妊娠を計画中の方は薬を使用できません。また、インスリンのような血糖降下薬を使用している場合も医師の慎重な判断が必要です。
BMIが過体重・肥満に該当しない方も対象外になることが多いです。その他既往歴によっては使用できない場合があります。
GLP-1でダイエットを始めるメリット
GLP-1ダイエットは、他のダイエット法とは異なる利点があります。
1. 科学的根拠に基づくダイエット
これらの薬は、血糖値のコントロールと食欲抑制の両方を実現します。今までのがむしゃらな食事制限や無理な運動では得られなかった着実な体重減少効果が期待できます。
2. 誰でも使いやすい
オゼンピックは週1回の注射で済み、リベルサスは錠剤として服用するだけ。忙しい日々の中でも取り入れやすいです。
3. 食べ物に振り回されなくなる
フードノイズという言葉を知っていますか?食べ物のことが頭から離れない、あの現象のことです[5]。GLP-1は食欲を抑えることで食べ物への執着から解放することができます。過剰なカロリー摂取を自然に防ぎ、健康的な食生活の習慣化を促します。
4. 健康への長期的で多方面の効果
GLP-1受容体作動薬は、単に体重を減らすだけでなく、糖尿病リスクの軽減や心血管の健康改善にも寄与します。これにより、ダイエットの効果と健康面での改善を同時に進めていくことができます。
GLP-1ダイエットを始める前に考えるべきこと
1. 目標の明確化
単に体重を減らすことを目的とするのではなく、健康的な生活を送るための目標を設定しましょう。たとえば、「1年以内に5kg減量する」や「体脂肪率を5%下げる」といった具体的なゴールを持つことが重要です。
2. 医師との相談
GLP-1は医薬品です。自己判断での使用開始は避け、医師の指導のもとで計画的に使用することが求められます。まずは医師の診察を予約しましょう。
ジュニパーならオンライン診療は初診・再診ともに無料です。お気軽にご相談ください。
3. サポート体制を整える
生活習慣の改善は一般的に数ヶ月といった時間がかかります。モチベーションを維持しながらよい習慣を身に着けていくには、家族や友人といったサポーターの存在が欠かせません。また、悩み立ち止まったときに管理栄養士や運動指導者の力を借りるのも良い方法です。
ジュニパーなら管理栄養士の資格を持ったヘルスコーチがマンツーマンであなたをサポート。サポートは無料なのでいつでもどこでもどんなことでも相談できます。過度な食事制限なく、より良い食習慣をあなたに合わせて提案します。お気軽にご相談くださいね!
オゼンピックとリベルサス、どちらを選ぶべきか?
オゼンピックとリベルサスの選択は、以下のポイントを考慮して決めるとよいでしょう。
- ライフスタイル
- 毎日薬を服用するのが難しい方にはオゼンピックが適しています。
- 注射に抵抗がある方はリベルサスが良い選択肢です。
- 予算
- 効果までの時間を考えると、3か月〜など一定期間は続けていくほうがベターです。予算に合った選択を医師に相談しましょう。
- 医師との相談
- 自分の健康状態や目標に応じて医師と相談することが最も重要です。医師があなたに合った薬の提案をしてくれます。
GLP-1ダイエットの効果を最大限にするなら
オゼンピックとリベルサスは、いずれもGLP-1ダイエットとして高い効果があるといわれています。
今や「ダイエット注射」や「痩せる注射」として注目されていますが、それぞれに利点と注意点があり、全員に適するわけではありません。ます。自分の生活スタイルや目標に合った薬を選ぶために、医師とよく相談し、健康的な体重管理を目指しましょう。
ジュニパーは、オンライン診療/処方・医療サポート・ヘルスコーチングを組み合わせた包括的なダイエットプログラムです。単にGLP-1ダイエットとして注射の処方だけされるダイエットではありません。
ジュニパーでは医師が健康状態を診察したうえで、必要と判断された場合にGLP-1注射薬を含むプログラムが処方されます。
医師・看護師・薬剤師・管理栄養士がチームとなり、お薬を適切に使いながら生活習慣を自分にあった良いものに変えていけるよう、プログラムを提供しています。
サポートはお薬代に含まれているため、追加料金は不要です。ジュニパーで処方しているお薬はこちら>>> https://www.myjuniper.jp/pricelist-jp
ジュニパーがもたらした研究結果
16カ国約2,000人の過体重の方がセマグルチド2.4mgを68週間とった結果が臨床研究で報告されています[6]。平均的な体重減少率は14.9%。4人に1人は10%以上の減量を達成しています。
対してジュニパーは、薬剤のみでの臨床試験と比べ、32 週間で体重減少率は11.6%。患者の約60%が、約半分の期間で10%以上を減量しています。また、ジュニパーの患者の4分の1は、32 週間で15%以上の体重減少率です。3人に1人が少なくとも20%以上を減少させました。
これは、薬剤単体よりも、生活習慣を変えるサポートがあることで、より大きな結果につながることを示しています。ジュニパーの効果は、医薬品と持続可能なライフスタイルの変化を組み合わせることです。単なるGLP-1ダイエットではないのです。
GLP-1を利用することで、体重減少だけでなく、健康的なライフスタイルを築くきっかけにもなります。自分の目標に向けて、ジュニパーと一歩を踏み出してみませんか?