「短期決戦だ!」「○日後に○kg痩せるXX」と、気合いを入れがちなのが減量。そしてその後につきまとう、リバウンド。そしてまた気合いを入れて全力ダイエット……。
急激に体重が減った後急激に体重が戻る現象は「ヨーヨーダイエット」と呼ばれます。
ヨーヨーダイエットの状態から抜け出し、ダイエットにとらわれない、健康的な習慣を実現するためのアプローチはどうすれば良いのでしょうか?
ヨーヨーダイエットは何か、ヨーヨーダイエットで身体に何が起こるのかという基礎的な知識から持続可能な減量をする実践的な方法までたっぷりご紹介します。
ヨーヨーダイエットとは:短期間で大きく体重が変動するダイエット
ヨーヨーダイエットはウエイトサイクリング (Weight Cycling) とも言われ、体重が減少と増加を繰り返し、体重が短期間で大きく変動するダイエットのこと[1]。まるでお祭りでよく見るヨーヨーのように、体重が上下に動くことからこの名がついています。一気に体重を減らすダイエットを始めると、最初は一定の成果が見られるかもしれません。ただ、長期的に減量を維持するのは非常に難しいことが多くあります。 実際に、一瞬は成功したけどあっという間に体重が元に戻った方も多いのではないでしょうか。
そして別のダイエット方法を探して体重を減らし、またリバウンド。今度こそと別の方法を試す、というような状態がずっと続いてしまうことがあります。
ヨーヨーダイエットが健康にどのような影響を及ぼすかご存知でしょうか?
ヨーヨーダイエットがあなたに及ぼす影響
ヨーヨーダイエットのような短期的な体重の増減。たかが体重……ではなく、身体と心に大きな影響を及ぼします。
栄養不足
ヨーヨーダイエットのような短期決戦系のダイエットにありがちな「〇〇だけダイエット」のような極端な食事制限。これでは必要な栄養素が不足し、身体は栄養失調に陥ります。必須ビタミン、ミネラルはもちろん、三大栄養素である糖質・タンパク質・脂質が不足し、様々な健康障害を引き起こします [2]。
代謝が落ちる
ヨーヨーダイエットで「入ってくるべき栄養が入ってこない」と脳が感知した瞬間、身体は「飢餓状態だ!」と認識し、省エネモードに切り替えます。代謝を落として、エネルギーを節約しようとする動きのことですね。「ホメオスタシス」とも呼ばれています。飽食の時代といわれるようになったのは、人類の歴史をみるとごくごく最近の話。長らく食糧不足に悩まされてきた人間の歴史上、もともと省エネモードになりやすいとも言えます。
この代謝、飢餓状態から脱出して元通りになるかとも限らないのが難しいところ。体重が戻っても代謝は完全に元に戻らず、代謝率が以前より低下する可能性もあるのです[3]。
筋肉が減る
ヨーヨーダイエットのような急激な減量が起きることで、身体は省エネモードに切り替わると書きました。これは、なんと脂肪をたくわえるという仕様なのです。つまり、失われているのは筋肉[4]。
筋肉は代謝活動が盛んな、いわば「窯」。この窯の働きを担う筋肉が減ると、代謝がさらに低下。本来燃焼されるはずのカロリーも燃えなくなってしまう可能性があります [5]。
脂肪の蓄積
ヨーヨーダイエットで身体はすっかり省エネモード。代謝が落ち、筋肉も減りました。残ったのはそう、脂肪。
一度経験した飢餓状態には備えようとするのが人間の性です。食事制限後にリバウンドで体重が戻ると、身体は再びやってくるかもしれない食料不足に備えようとし始めます。何から蓄えるのか?そう、まずは脂肪から蓄えようとするのです[6]。これは、減量後の健康的な体重キープを難しくする要因の一つです [7]。
ホルモンバランスの変化
ヨーヨーダイエットはホルモンバランスの乱れを引き起こします。まず、極端に食べない、極端に食べるという動きは血糖値の乱高下を招きます。これは、インスリン抵抗性を高め、2型糖尿病を発症するリスクが高まるといわれています [8]。また、同時に栄養不足がホルモン欠乏を招き、疲れやすい・気分が落ち込む・身体がだるいといった不定愁訴につながります [9] [10]。
脳血管系疾患の原因にも
ヨーヨーダイエットは心血管疾患や脳卒中のリスクを高めるという研究があります。[9]心血管疾患で代表的なものは心筋梗塞・狭心症・心不全・閉塞性動脈硬化症(ASO)。また、脳卒中はいわゆる脳梗塞・脳出血・くも膜下出血が含まれます。体重変動の幅が大きい人と小さい人を比べたとき、大きい人のほうが死亡リスク、疾病リスクが平均25%高くなるといわれています。
メンタルヘルスの問題
ヨーヨーダイエットは精神的にも悪影響があります[11]。食習慣が乱れることで、体重もそうですが生活が食べ物に振り回されてしまうのです[12]。自尊心やモチベーションの低下、絶望感などから精神疾患につながることもあり、人生に長くその影響が出る可能性もはらんでいます。
ヨーヨーダイエットから脱出するために:持続的な減量とは
ご紹介してきたように、ヨーヨーダイエットは筋肉が減る・脂肪が増えるという変化に留まらず、健康を脅かすリスクの増加やメンタル面の不調などあらゆる部分で影響をもたらします。おそらく皆さんが目指すのは一瞬だけ痩せることではなく、「健康」で、「自分らしい体型」を、「長く維持すること」ではないでしょうか?そのためには、続けられる減量方法がとても重要。
バランスの取れた食事にする
ヨーヨーダイエットが一番最初にもたらす影響が栄養不足。十分に栄養が取れるようなダイエットが大切です[13]。タンパク質・炭水化物・脂質といった三大栄養素、ビタミン・ミネラルといった微量栄養素を網羅するには「これだけ食べたらOK」というような食べ物は残念ながらありません。
ただ、細かく考えすぎるのもつらくなるもの。まずは三大栄養素を優先して摂っていきましょう。
- 筋肉や代謝の維持に必要なタンパク質
- エネルギー源になる糖質
- ホルモンに関わる脂質
メニューのイメージは「定食」。ご飯・味噌汁・焼き魚/お肉・サラダ…… というような構成にすると迷いがありません。特にタンパク質は腹持ちが良く、食欲のコントロールにも重要な役割を担っています。1日の目安量は体重に1.2をかけた量です。体重60kgの方なら72g、80kgの方なら92gが目標量。1食で少なくとも25〜30g程度は取る必要があり、これは鶏むね肉なら1枚の半分くらいに相当します。(皮付き鶏むね肉1枚265gと仮定)。
そんなに食べられない!好き嫌いがある!家族にあわせたメニューにする必要がある…… ぜひジュニパーにご相談ください。専属の管理栄養士があなたの好みや状況にあわせて食事のアドバイスをします。食事の用意ができなくても、よく行くお店を教えていただければおすすめのメニューも紹介します。
無理のない運動
運動は単にカロリー消費を促すだけでなく、ストレスを発散したり、代謝を活発にするのに役立ちます。
どんな運動が効果的か?その答えは「続けられるもの」です。どんな効果的な運動でも、続けられなければ効果は期待できません。それだけではなく、無理に消費していたカロリーが消費できなくなった瞬間ヨーヨーダイエットの始まりです。できそうなもの・楽しいと感じるもの・興味があるものを少しずつ試してみましょう。合わなければ別のものに変えればOKです。
どんな運動が合うのかわからない方、ぜひ一度ジュニパーに相談してみませんか?ジュニパーは無料のヘルスコーチングがあり、何回でもやり取りができます。あなたの生活に合う無理のない運動習慣をご提案するので、きつい運動を無理に続ける必要はもうありません。
痩せホルモンを増やす
ヨーヨーダイエットは身体と心に大きなストレスを与えます。ここで増えるコルチゾールは脂肪燃焼を妨げるといわれています。ここで増やしたいのは減量の味方になってくれるホルモンですね。「GLP-1」というホルモンは小腸から分泌されるホルモンで、血糖コントロールの役割を担います。主に脳の食欲中枢に働きかけ食欲を抑える作用と、胃の中の食べ物を長く胃に留まらせることで満腹感を長続きさせる作用があり、これがヨーヨーダイエットで増えた体重を減らしていくことに繋がります。つまり、食べ物に振り回されることから解放され、ストレスフリーで減量ができるのです。
GLP-1は自然に腸から分泌されるものですが、人により分泌量に差があります。また、腸内環境によっては量が減ってしまうことも。でも、医薬品の「GLP-1受容体作動薬」なら外からホルモンを補充できます。
セマグルチドという有効成分の名前で知られるこのお薬は、食欲抑制や血糖値を安定させる効果が認められています。ジュニパープログラムでは、医師が適切と判断した場合にはGLP-1を含むプログラムが処方されます。
ストレス管理
一口にストレス管理といわれても、そう簡単に解消できないのがストレス。基本に立ち返るところから始めてみましょう。バランスの良い食事や適度な運動はストレス解消に繋がりますが、そこを整えるのも大変なときはとにかく身体を休め、良質な睡眠をとることが大切[14]。その他にも、ゆったりとした腹式呼吸やお風呂につかることもよい方法です。よい睡眠で、心の健康を保ちましょう。
ジュニパーのヘルスコーチはあなた専属のサポーターです。ストレスがたまっているとき、どうしたらいいかわからないときは、顔出し不要で気軽にメッセージを送っていただけます。対処方法のアドバイスやストレス解消方法の提案など、今のあなたに合ったアドバイスを提供します。
ヨーヨーダイエットを卒業したいなら
ジュニパープログラムは多方面から減量にアプローチする総合プログラム。医師の判断のもと科学的に裏付けのある治療薬が処方されます。また、オンライン診療は追加料金で何度でも受診OK。管理栄養士をはじめとしたヘルスコーチが専属でつき、あなたの生活習慣や健康状態に合わせて食事・運動についてマンツーマンでアドバイスします。サポートはすべてオンラインで受けられるので、自宅から気軽に始められるところもポイントです。ぜひ一緒にヨーヨーダイエットの卒業を目指しませんか?