減量をしていると、体重の変動で落胆することがあるでしょう。
しかし、実際には体重は毎日変動しており、1日の間で体のセットポイント(脳が認識する理想体重)から最大2〜3kg変動することはよくあること。これは、何をいつ食べるかだけでなく、何を飲むかや、運動や睡眠によっても影響されます。
体重が毎日変動するのはなぜ?
日々の体重の変化は、摂取する食べ物や飲み物の影響を大きく受けます。たとえば塩辛い食べ物は体液の貯留を引き起こす可能性があり、それが体重計の数値に影響することがあります。
また、炭水化物は体に水分を溜め込ませ、水太りやむくみの原因にもなります。この体重の増加は、膨満感が治まるまで続く可能性があります。
運動は体重を減らすのに役立ちますが、運動後に水分補給を適度に行うと、水分摂取量が体重計に影響することも。一方、排便により体重が少し減少することもあります。
減量後に食生活が変わったり、古い習慣が染み込んで間食が増えたりすると、体重の大きな変動に気づくかもしれません。
研究によると、体重は週末になると食事や運動の変化の影響で増える傾向があることも示唆されています。2013年に行われた48人の健康な成人を対象とした研究では、参加者は週末に体重が一貫して増えたのに対し、平日は増えなかったことがわかりました [1]。
これは、平日に比べて土曜日の食事量が多く、日曜日の身体活動が少ないことが原因と考えられ、さらに言うと、日々の習慣が体重変動を引き起こし、減量を妨げる可能性があることを示しています。
体重が変動する原因は?
体重が変動する理由は様々ですが、影響を与える可能性のあるものは以下の通りです。
- 塩辛い食べ物を食べる
- 排便していない
- 体がストレスに反応している
- 炭水化物が多い食事をした
- アルコールを摂取した
- 脱水状態または水分が過剰な状態
- 体が暑さに反応している
- 十分な睡眠を取っていない
体重は上記のような要素で簡単に変動してしまうため、1日のうちランダムな時間に体重を測ることはおすすめできません。
減量の過程は決して一直線ではなく、体重が増える日もあれば、減る日もあります。体重計の数値は定期的に変動する可能性があるということを知っておくことも重要です。
減量していると、体重が停滞することが数日以上続くこともあるでしょう。これは停滞期と呼ばれ、健康的な習慣をすべて続けているのに変化が見られないため、非常にイライラすることがあります。
月経周期と体重の変動に関連性は?
生理前後に体重が増えるのはよくあること。
月経周期中は、女性ホルモンの変動により体内の水分量が増減するため、体重が変動しやすくなります。
いくつかの理由を挙げます。
まず、食欲は月経周期を通して変化しており、月によって食欲が増したり減ったりすることがあります。食欲が増えると、食べる量が増えるため、体重にわずかな変化が生じるかもしれません [2]。
同じことが欲求にも当てはまります。女性は、月経周期のなかで特定の時期に炭水化物や脂肪が多い食べ物を欲しがる傾向があり、この時期にはカロリー摂取量が多くなるのが一般的です [3]。
最後の要素は水分保持です。膨満感は生理に関連する一般的な症状であり、塩辛い食べ物を一緒に摂ると、体重が増える原因になる可能性があります。
月経前後の体重増加を防ぐには、可能な限り野菜や果物をたくさん摂り、水分を補給して膨満感を軽減するようにしましょう。[3]。
体重が増えてしまったが、どうすればいい?
体重が変動する原因は様々ありますが、それでも体重が増えてしまった場合はどうすればよいでしょうか。
体重が増えてしまっても、焦る必要はありません。変化に気づいた時こそ、今までを振り返るいいタイミングです。
体重に影響を与えている可能性があることがあるので、以下のポイントを見直してみましょう。
- ホルモンの変化
- 活動量が減った
- 前の習慣が戻ってきてしまった
- 食事の量を適当に決めてしまっている
- ストレスレベルが上がっている
- 十分な睡眠が取れていない
体重が増えるのは自然なこと。私たちの体は常に変化しているので、あまりストレスに感じないようにしてください。 今こそ基本に立ち返り、健康的な習慣をもう一度守るようにしましょう。
体重変動の管理方法は?
体重を減らすことは簡単ではないので、毎日コツコツと取り組むようにしましょう。
体重を測るタイミングに気をつける
体重は運動、病気、アルコール摂取量、水分摂取量などあらゆるものに影響を受けます。そのため、体重を毎日同じ時間に測ることで、大きな差が生じるのを避けるようにしましょう。
例えば、朝起きてすぐに体重を測るようにしましょう。体重を毎日同じ時間に測ることで、現在の体重を正確に把握でき、減量を軌道に乗せるための後押しになります。
可能であれば服や靴下を脱ぎ、裸で体重計に乗るか、毎日体重計に乗る際に同じような服を着るようにしましょう。
基本に立ち返る
体重の大きな変動に対処するもう一つの方法は、基本に立ち返ることです。
色々な方法があると思いますが、まずは最近起こった変化を振り返ってみましょう。そこから、体重の増加に影響している可能性があるものを特定し、対処する足がかりになります。
例えば、最近運動量が減っているようなら、ジムに行ったり、友人と散歩する約束をするのがよいでしょう。
午後の間食が習慣になってしまっていたら、間食の内容を変えるか、ランチをもっと腹持ちの良いものにするのが良いかもしれません。
体重の変動は基本的に正常なことですが、減量を目指しているときにはイライラすることがあるでしょう。しかし、今自分が選択していることのすべては、より健康になることにつながることを忘れないでください。
最後に
体重変動は自然なものであり、一時的な増減にとらわれすぎないことが大切です。長期的な視点を持ち、バランスの取れた食事と適度な運動を心がけ、健康的な生活習慣を継続することが、安定した体重維持につながるでしょう。